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【例文あり】訪問介護ヘルパーの具体的な個人目標の設定方法

訪問介護事業所において、ヘルパーさんの個人目標設定にお悩みではないでしょうか?

介護職としてスキルアップしていくためには、目標設定が必須です。目標設定を同じくして目線を合わせることで、個々のスキルアップとともに事業所全体のサービス向上につながります。

今回の記事では、ヘルパーの個人目標の設定のコツを具体的な例文を交えて解説します。

目標を立てようと思ってもなかなか取り組めない場合は、まず目標設定が必要な理由を明確にしておきましょう。

個人目標設定が必要な理由は、モチベーションの維持や向上につなげるためです。介護職に限りませんが、仕事に慣れてくるとどうしても与えられている仕事をこなすだけになり、モチベーションが下がってしまいます。

目標設定を行うことで、その過程において自分の新たな目標や課題を発見することができます。目標を達成するための行動が取れるため、一つひとつの業務にしっかりと意味を見出しながら仕事に取り組めるでしょう。

介護の仕事の成果は、数字ではかれないことも多いため、人事評価が難しいということもあるでしょう。ご利用者や他のスタッフからの評価も大切ですが、どうしても人それぞれの主観も入ってしまいます。
目標設定を行い、目標達成のための過程や進捗をきちんと管理することで、人事評価に明確な基準をつくることができます。

特に訪問介護の場合は働く場所がそれぞれに異なるため、ヘルパーの働きぶりやご利用者ご家族からの評価が伝わりにくいものです。「これだけ頑張っているのに分かってもらえていない」と感じる場合もあり、モチベーションを保つことが難しい面もあります。

目標設定をすることで、評価基準が明確になり公平性が保てるため、人事評価に不満や納得感が得られないといったケースを避けることができます。

個人目標の目的は、自分の現在地を把握し、その上で将来目指すべき姿を定めることです。数年後の長期的なビジョンを明確にすることで、今の自分に必要なスキルや経験が把握できます。達成に向けたステップを確認しておくことで、日々の行動目標も明らかになります。目標設定は、迷わず着実にキャリアアップしていくためにも、大切なプロセスです。

しかし、唐突にただ目標を立ててくださいと伝えても(伝えられても)、具体的な内容が浮かばず困ってしまう方も多いかもしれません。

ここからは、目標設定のコツを解説していきます。

まずは自分の課題を明確にすることが重要です。業務をする上で、自分に足りないと思っていることを洗い出してみましょう。

なかなか見つけられない場合は以下のような点がないか考えてみてください。

  • これまでミスをしてしまったこと
  • ご利用者や上司に注意、指摘されたこと
  • スムーズにできず時間がかかってしまうこと
  • 苦手なので避けていること
  • 未取得の資格

これらを克服するために何をすべきかを考えれば、目標が立てやすくなります。ゴールに向かって進むためには、理想とのギャップを認識しましょう。

将来のビジョンを大きく掲げておくのは大切なことですが、今の自分とのギャップが大きすぎると、現実味がありません。ゴールが遠すぎると心のどこかで達成するのは無理だという気持ちになり、やる気がなくなってしまいます。数年後に叶えたい大きな目標は、小さな短期目標の積み重ねで達成に近づきます。ここで言う個人目標では、努力すれば達成可能なレベルに設定することが大切です。

介護の仕事の評価は人間的な関わりが重要な仕事なので、仕事の評価はどうしても数値化しにくいものです。しかし、あまりにも抽象的な目標を設定してしまうと、達成度が判断できません。そのためできる限り、具体的で評価しやすいような目標設定をする必要があります。

例えば、目標を行動ベースに落とし込むと、やったかやっていないかで判断できます。数値化できるものは数で表しておくことで、より具体的になるためおすすめです。

目標設定の際には管理者やサ責と内容を擦り合わせる過程がありますが、事業所側の理想を押し付けないように注意が必要です。個人目標の内容は、ヘルパー自身が達成する価値が感じられるものでなければなりません。一方的に目指してほしいヘルパー像を提示してしまうと、どうしても意欲的に取り組むことができません。

しっかりコミュニケーションを取り、本人が目指したいと思うヘルパー像を引き出すことが重要です。

1〜2年目の新人ヘルパーは、まず基本的な業務の流れ・介護技術・マナーを習得することが優先されます。

具体的な目標の例文
・ご利用者の基本情報を頭に入れて適切なケアを行う
・ご利用者に好感を持ってもらえるコミュニケーションを身につける
・ヘルパーとしての基本的な介護技術を身につけ安心安楽な身体介護を行う
・バイタル測定の方法を理解し、体調変化があるときにはすぐに報告できる
・業務時間内に業務日誌を記載し、報連相が行える
・事故やヒヤリハットが起きた場合、直ちに報連相が行える
・正確で伝わりやすい介護記録の記載ができる
具体的な行動目標の例
・サービス開始前にアセスメントシート、訪問介護計画書、指示書に目を通す
・援助中にケアに関すること以外に、毎回1つはプラスアルファの話題で会話する
・社内の介護技術研修に参加してボディメカニクスを身につける
・社内の接遇マナー研修に参加し、サービスで実践する
・外部の認知症研修に参加する
・8月までに介護福祉士実務者研修を受講する
・事故対応マニュアルを読み、不明点があればサ責に確認する
・事故報告書、ヒヤリハットの記載後にサ責からフィードバックを受ける
・介護保険制度に関する書籍を読む

基本的な介護技術や知識が習得できている状態なので、新たな目標としてさらなるスキルアップを目指します。介護福祉士や介護支援専門員の資格取得やサービス提供責任者への昇格も視野に入る段階です。

具体的な目標の例文
・介護福祉士資格を取得する
・介護支援専門員資格を取得する
・サービス提供責任者を目指す
・新人スタッフへのマネジメント力を身につける
・ヘルパーのリーダー的な役割を担えるようになる
・事業所内の事故、クレームの件数を減らす
・ご利用者の満足度を高める対応ができるようになる
・ご利用者やご家族からの質問に対して適切な対応ができる
具体的な行動目標の例
・新人スタッフの同行訪問で介護技術のフィードバックをする
・介護福祉士資格取得に向けて1日1ページ問題集を解く
・ケアマネジャー資格取得に向けて毎日1時間以上問題集を解く
・事故対応マニュアルをバージョンアップする
・事故やヒヤリハット報告書を記載したら、直ちにヘルパーへ情報共有する
・事業所内の介護技術研修の講師を担当する
・外部の認知症ケア研修に参加し、学んだ知識を他のヘルパーにも伝える
・援助時にはご利用者だけでなく、毎回ご家族にも普段の様子や困っていることなど話を聞きコミュニケーションを取る

ベテランヘルパーは、スタッフの指導や育成・離職率の低下・売上アップ・コスト削減など組織全体の運営を考えた行動目標が求められます。ご利用者のサービス向上に関しても、個人のスキルを向上させることはもとより、事業所全体の視点でご利用者満足度をアップさせる取り組みを行うことが大切です。

具体的な目標の例文
・前年度の離職率◯%を、今年度は◯%まで下げる
・認定介護福祉士を取得する
・社会福祉士資格の取得を目指す
・事業所の管理者を目指すため、組織全体を考えた動きができるようになる
・前年度より事故件数を◯%減らす
・ご利用者、ご家族のサービス満足度を上げる
・前年度のスタッフの平均残業時間◯時間を◯時間まで下げる
・緊急時対応マニュアル、感染症マニュアルを整備する
・事業所内研修を一通り行えるようになる
・他職種と連携してご利用者へのサービス向上をめざす
・前年度の事業所の売上を◯%アップさせる
具体的な行動目標の例
・◯月からの認定介護福祉士の養成研修を受講する
・新人研修マニュアル、OJTチェックリストを作成し、指導者育成を行う
・残業を減らすために介護ソフトを選定し、スタッフがスムーズに使えるようにレクチャーする
・ヒヤリハットを記載する習慣を付け、ミーティングで分析のうえ事故削減に取り組む
・外部研修に参加し、他の事業所とのネットワークを構築する
・外部研修に参加し、事業所の認知度を上げてご利用者を獲得につなげる
・ヘルパーの介護記録を定期的にチェックし、記載方法を指導する
・介護記録をチェックし、ご利用者のニーズをくみ取りサービスの改善を行う
・ヘルパー一人ひとり個別に話を聞き、相談しやすい関係性をつくる

今回の記事では、訪問介護の目標設定の例について解説しました。訪問介護はどうしても勤務場所が異なるため、それぞれの働きぶりがわかりにくい環境です。目標設定後は、達成に向けて、コミュニケーションをしっかり取りながら進捗確認していきましょう。

目標達成のためには、個別研修を併せて行っていくことがおすすめです。特定事業所加算の要件にもなっている「個別研修計画」と個人目標を併せて管理し、ヘルパーそれぞれの目標達成を効率的に行っていきましょう。

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tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。