放課後等デイサービスを運営するうえで、人員配置基準は避けて通れない重要なテーマです。
「うちの事業所は基準を満たしているのか」「減算を避けるにはどうすればいいのか」と不安を感じている管理者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、放デイの人員配置基準の最新ルールと実務上の注意点を詳しく解説します。
この記事でわかること
・放デイに必要な職種・人数と各職種の資格要件
・2024年度報酬改定による人員配置関連の変更ポイント
・人員欠如減算のリスクと、人員不足を防ぐための具体的な対策
- 基準を正しく理解して、無理なく安定した事業運営を実現しましょう。
放デイの人員配置|まず押さえたい基本ルール

放課後等デイサービスの人員配置基準は、児童福祉法に基づいて定められた、サービス提供に必要な最低限の職員数を規定するものです。
この章では、人員配置基準の基本的な考え方と定員に応じた必要人数について解説します。
なぜ配置基準があるの?法的根拠と目的
放デイの人員配置基準は、障がいを持つ子どもたちに対して安全かつ質の高い支援を提供することを目的とし、児童福祉法および関連省令によって定められています。
具体的には、以下のような法令が根拠となっています。
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)
- 各自治体が定める条例や規則
- こども家庭庁が発出する通知・Q&A
人員配置基準を遵守することは、指定事業所として運営を継続するための必須条件です。
※人員配置は「単位ごとの利用児童数」を基に算定します。本記事では分かりやすく「定員」で説明しています(実務では当日の利用状況・単位で確認してください)。
定員10名まで:最低限そろえたい人員の目安
定員が10名以下の放課後等デイサービスでは、以下の人員配置が最低限必要です。
サービス提供時間を通じて、常に基準を満たす職員数を確保しなければなりません。
| 職種 | 配置人数 | 常勤要件 |
| 管理者 | 1名以上 | 常勤・非常勤問わず |
| 児童発達支援管理責任者 | 1名以上 | 専任かつ常勤 |
| 児童指導員または保育士 | 2名以上 | うち1名以上は常勤 |
この配置基準を満たせない場合は、人員欠如減算の対象となるため注意が必要です。
定員が11名以上なら:増える人員の考え方
定員が11名以上の事業所では、児童指導員または保育士の配置数が増加します。
利用者の人数が10人を超えて5人またはその端数を増すごとに1人を加えた数の職員が必要となります。
| 利用定員 | 児童指導員・保育士の必要人数 |
| 10名以下 | 2名以上 |
| 11〜15名 | 3名以上 |
| 16〜20名 | 4名以上 |
| 21〜25名 | 5名以上 |
定員が増えるほど必要な職員数も増加するため、採用計画を含めた人員確保が重要になります。
放デイの人員配置に必要な職種と資格のポイント

放課後等デイサービスでは、管理者・児童発達支援管理責任者・児童指導員または保育士の3つの職種が必須配置となっています。
この章では、各職種の役割と求められる資格要件を詳しく解説します。
管理者:どんな役割?資格は必要?
管理者は、事業所全体の運営管理を統括する責任者で、職員の採用・育成や労務管理、行政との調整など幅広い業務を担当します。
管理者の主な要件
・特別な資格要件は定められていない
・1名以上の配置が必要
・常勤・非常勤は問わない
・業務に支障がない範囲で他職種との兼務が可能
管理者は児童発達支援管理責任者や児童指導員との兼務が認められている点が大きな特徴です。
児童発達支援管理責任者(児発管)の配置ルール
児童発達支援管理責任者(児発管)は、個別支援計画の作成や支援の質の管理を担う重要な職種です。
支援の方向性を決定し、職員への指導・助言も行う役割を持っています。
児発管の主な配置基準と要件
・1名以上の配置が必要(専任かつ常勤)
・実務経験要件を満たすこと(相談支援業務5年以上または直接支援業務8年以上など)
・基礎研修および実践研修の修了が必要
・5年ごとの更新研修受講が必須
児発管は管理者との兼務は可能ですが、児童指導員や保育士としての員数には算定できません。
児童指導員・保育士:必要人数と資格
児童指導員と保育士は、子どもたちへの直接支援の中心となる職種です。
定員10名以下の放課後等デイサービスでは、サービス提供時間を通じて児童指導員または保育士を2名以上配置する必要があります。
さらに、2名のうち1名以上は常勤が必要です。
| 職種 | 主な資格要件 |
| 児童指導員 | 社会福祉学・心理学・教育学等を修めた大学卒業者、教員免許保有者、児童福祉施設での実務経験2年以上など |
| 保育士 | 保育士資格(国家資格)の保有が必須 |
人員基準で必要とされる人数のうち、半数以上は「児童指導員または保育士」で配置しなければなりません。
一方で、機能訓練担当職員(PT・OT・STなど)や看護職員は、一定の条件を満たす場合に限り、児童指導員・保育士の配置人数に算入できることがあります。
ただし、算入できる場合でも、児童指導員または保育士が半数以上というルールは変わりません。
その他の専門職(機能訓練担当職員・看護職員など)
機能訓練担当職員や看護職員は、提供する支援内容によって配置する専門職です。常勤である必要はなく、支援内容に応じた柔軟な配置が可能です。
主な専門職と役割
・機能訓練担当職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・公認心理師など):専門的なリハビリや訓練を提供
・看護職員(看護師・准看護師など):医療的ケアが必要な児童への対応
・心理指導担当職員:心理面でのサポートやカウンセリング
これらの専門職を配置することで、専門的支援体制加算の算定も可能になります。
放デイの兼務はどこまでOK?つまずきやすい注意点

放課後等デイサービスでは、一部の職種において兼務が認められています。
この章では、兼務に関するルールと常勤換算の考え方について解説します。
管理者と児発管の兼務はできる?
管理者と児童発達支援管理責任者の兼務は認められています。ただし、それぞれの業務に支障がない範囲で行うことが条件です。
兼務に関する主なルール
・管理者と児発管の兼務:可能
・管理者と児童指導員の兼務:可能(ただし管理業務に支障がない範囲)
・児発管と児童指導員・保育士の兼務:不可(直接支援は可能だが員数に算定できない)
- 兼務を行う場合でも、各職種の役割を明確にした業務分担が重要になります。
常勤換算って何?簡単に計算してみよう
常勤換算とは、非常勤職員を含めた勤務時間を常勤職員何人分に相当するかを数値化したものです。
加算の算定や人員基準の確認において重要な指標となります。
常勤換算の計算方法
【計算式】「常勤職員の人数」+「(非常勤職員の勤務時間合計)÷(常勤職員の勤務すべき時間)」
【例】週40時間が常勤基準の場合、週20時間勤務の非常勤は「0.5」として換算
※小数点第2位以下は切り捨て
常勤換算を正しく理解することで、効率的な人員配置と加算の取得が可能になります。
【2024年改定】放デイの人員配置基準の変更ポイント

令和6年度(2024年)の報酬改定では、放課後等デイサービスの運営に大きな変更がありました。
この章では、人員配置に関連する主な改定内容を解説します。
児童発達支援管理責任者の配置要件の見直し
令和6年度の改定では、児発管に関する運営基準の見直しが行われました。
特に、支援の質を確保するための役割が明確化されています。
主な変更点
・障害児および保護者の意思を尊重する努力義務が明記
・5領域を踏まえた個別支援計画の作成が必須に
・インクルージョンの観点を踏まえた支援内容の記載が求められる
- 児発管の専門性と責任がより重視される方向に改定が進んでいます。
支援時間で区分が変わる|人員配置の考え方
令和6年度改定では、基本報酬に時間区分が導入されました。
これにより、時間区分の導入で報酬体系が変わり、結果としてシフト管理の重要性が増しました。
| 時間区分 | 支援時間 |
| 区分1 | 30分以上1時間30分以下 |
| 区分2 | 1時間30分超3時間以下 |
| 区分3 | 3時間超5時間以下(放デイは学校休業日のみ) |
人員配置はサービス提供時間を通じて基準を満たす必要があり、時間区分の導入によりシフト管理の重要性が増しています。
放デイで人員配置基準を下回るとどうなる?リスクと対策

人員配置基準を満たせない状態が続くと、減算や指定取消といった重大なリスクが生じます。
この章では、人員欠如による影響と対策について解説します。
人員欠如減算:どれくらい減る?
人員欠如減算は、配置基準を満たさない状態でサービスを提供した場合に適用される報酬の減額措置です。
減算率は欠如の程度と期間によって異なります。
| 減算の種類 | いつから? | どれくらい減る? |
| サービス提供職員欠如減算(欠如1割未満) | 翌々月から | 30%減(基準未満が3ヶ月以上続くと50%減) |
| サービス提供職員欠如減算(欠如1割以上) | 翌月から | 30%減(基準未満が3ヶ月以上続くと50%減) |
| 児童発達支援管理責任者欠如減算 | 翌々月から | 30%減(基準未満が5ヶ月以上続くと50%減) |
減算は経営への影響が大きいため、基準を下回りそうな場合は早めに人員確保・シフト調整を行いましょう。
長引くと指定取消になることも
人員欠如の状態が長期間続き、行政の改善指導に従えない場合は、指定取消処分となる可能性があります。
指定取消は事業の継続が不可能になる最も重大な処分です。
指定取消につながる主なケース
・人員配置基準の違反状態が長期間解消されない
・行政からの改善指導に繰り返し従わない
・虚偽の報告や不正請求が発覚した場合
指定取消を避けるためには、日頃からの適切な人員管理が不可欠です。
【現場の悩み】放デイで急な欠勤が出たらどうする?実践的な対応ガイド

放課後等デイサービスの現場では、急な欠勤への対応が大きな悩みの種です。
この章では、欠勤発生時の判断フローから事前の備えまで、実践的な対応方法を解説します。
いざというときに慌てないよう、事前に対応策を確認しておきましょう。
欠勤が出たときの判断フロー|まず何を確認する?
急な欠勤の連絡が入ったら、まず冷静に状況を把握することが大切です。
慌てて対応すると判断ミスにつながるため、確認すべき項目を順番に整理しましょう。
欠勤発生時に確認すべきポイント
・今日の利用児童数を確認:何人の児童が来所予定か把握する
・欠勤者の職種を確認:児発管か、児童指導員・保育士か、その他の職種か
・今日の配置基準を満たせるか判断:利用児童数に対して必要な職員数を計算する
この3ステップで状況を整理し、代替要員の確保が必要かどうかを素早く判断しましょう。
代わりの職員を確保する3つの方法
配置基準を満たせない場合は、速やかに代替要員を確保する必要があります。
日頃から複数の手段を準備しておくことで、緊急時にも対応しやすくなります。
代替要員を確保する主な方法
方法①:非常勤・登録スタッフに連絡:普段から緊急対応可能なスタッフをリスト化しておく
方法②:他施設からの応援体制:同一法人内や近隣施設との連携体制を構築しておく
方法③:人材派遣・紹介会社の緊急プラン:スポット対応が可能な派遣会社と契約しておく
複数の選択肢を持っておくことで、1つがダメでも次の手段にすぐ移れます。
どうしても人が足りないとき|サービス中止の判断基準
代替要員が確保できない場合、サービス提供の中止を検討しなければなりません。
難しい判断ですが、基準を満たさない状態での運営は減算や指定取消のリスクにつながります。
サービス中止を判断する際のポイント
・配置基準を満たせない場合は、原則としてサービス提供ができない
・保護者への連絡は判明した時点でできるだけ早く行う
・自治体への報告が必要なケースもあるため、迷ったら指定権者に相談する
利用者や保護者に迷惑をかけることにはなりますが、基準違反を続けるよりも誠実な対応が信頼につながります。
欠勤リスクを減らすために今からできる準備
急な欠勤は完全には防げませんが、事前の備えでリスクを最小限に抑えることができます。
日頃から体制を整えておくことで、いざというときの対応がスムーズになります。
- 緊急連絡フローをマニュアル化:誰が何をするか明確にしておく
- シフトに「余裕」を持たせる:ギリギリの配置ではなく、+1名を意識する
- 定期的に欠勤シミュレーションを実施:「もし〇〇さんが休んだら」を想定しておく
- スタッフが休みやすい環境づくり:体調不良を我慢させない風土が急な欠勤を減らす
放デイの運営業務をラクにする方法

放課後等デイサービスの運営では、記録業務や保護者対応に多くの時間がかかりがちです。本来注力すべき療育の時間が、こうした事務作業に圧迫されているケースも少なくありません。
この章では、日々の業務における課題と効率化の方法を紹介します。
児童発達支援・放課後等デイサービス向けアプリ「デイロボ」
児童発達支援・放課後等デイサービスの業務効率化には、専用アプリの活用がおすすめです。
「デイロボ」は、放デイ・児発の運営に特化した機能を備えたアプリです。
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まとめ:放デイの人員配置基準を押さえて、ムリなく安定運営へ

放課後等デイサービスの人員配置基準は、適切な支援を提供するための重要な土台です。
基準を正しく理解し、遵守することで、減算リスクを回避しながら安定した運営を目指せます。
<記事のまとめ>
- 放デイの人員配置基準は児童福祉法に基づき、管理者・児発管・児童指導員または保育士の配置が必須
- 定員に応じて必要な職員数が変わり、常勤換算の考え方を正しく理解することが重要
- 2024年度改定では時間区分の導入や5領域を踏まえた支援が義務化され、運営体制の見直しが必要
- 急な欠勤に備えて、代替要員の確保手段や緊急連絡フローを事前に整えておくことが大切
人員配置の管理に課題を感じている方は、まず専用アプリの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「デイロボ」なら、連絡帳・実績記録・個別支援計画・国保連請求まで一元管理が可能です。
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投稿者プロフィール

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特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。
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