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特定事業所加算で利用者負担が増える?知っておくべき3つのデメリット

訪問介護事業所の管理者、サ責の皆さんの中には、利用者負担が増えるなどといった面で、特定事業所加算の取得に頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。特定事業所加算を取得すれば収益アップにつながりますが、デメリットも存在します。本記事では、特定事業所加算の3つの主要なデメリットを解説し、経営への影響を考察します。加算取得の判断材料として、ぜひご活用ください。

特定事業所加算は、訪問介護事業所が一定の要件を満たすことで算定できる加算制度です。この加算は、質の高いサービスを提供する事業所を評価し、経営の安定化を図ることを目的としています。まずは、加算の種類や算定要件について確認しておきましょう。

特定事業所加算には、I、II、III、IV、Vの5種類があります。

特定事業所加算(I)所定単位数の20%
特定事業所加算(II)所定単位数の10%
特定事業所加算(III)所定単位数の10%
特定事業所加算(IV)所定単位数の3%
特定事業所加算(V)所定単位数の3%

各加算には異なる算定要件が設定されており、事業所の体制や提供するサービスの質に応じて選択することができます。例えば、特定事業所加算(I)は最も高い加算率を持ちますが、同時に最も厳しい要件が課されています。

それぞれの算定要件は、研修計画の作成と実施、定期的な会議の開催、サービス提供責任者の配置基準などです。

特定事業所加算を取得することで、事業所は介護報酬の増加を見込むことができます。これにより、職員の待遇改善研修の充実サービスの質の向上などに投資することができるのが、大きなメリットです。

また、加算を取得していることで、事業所の信頼性や評価が高まり、利用者やケアマネジャーからの選択につながる可能性も期待できます。

特定事業所加算には魅力的なメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、適切に対応することが、加算取得の成功の鍵です。運営者として知っておくべき3つの主要な課題について詳しく解説します。

特定事業所加算を算定するデメリットの一つが、利用者の自己負担額が増加することです。加算は所定単位数に上乗せされるため、国だけでなくご利用者も負担することになります。

例えば、最も加算率が高い特定事業所加算(I)を算定する場合、利用者の自己負担は未取得の事業所の1.2倍です。長期的にサービスを利用する場合、この負担増はご利用者やその家族にとって重要な問題となる可能性があります。

特定事業所加算の算定要件は非常に多岐にわたり、厳格です。これらの要件を一つでも満たせなくなった場合、加算の算定ができなくなるだけでなく、過去に受け取った加算分の報酬を返還しなくてはなりません。例えば、全ての訪問介護員等に対する健康診断の実施や、月1回以上の会議参加などの要件を1つでも満たせなくなると、その月からの加算分を遡って返還する必要があります。

特定事業所加算を維持するためには、事業所全体の継続的な努力と管理が必要です。例えば、訪問介護員等の研修計画の作成と実施、定期的な会議の開催、サービス提供責任者の配置基準の遵守などが求められます。これらの要件を満たし続けることは、事業所や職員にとって大きな負担となる可能性があります。

特定事業所加算の取得は、事業所の経営にさまざまな影響を与えます。収益面での影響、サービス品質への影響、そして人材確保への効果について詳しく見ていきましょう。

特定事業所加算を取得することで、事業所の収益は増加します。しかし、加算維持のための費用も頭に入れておかなくてはなりません。例えば、研修の実施や職員の待遇改善、記録管理のための人員配置などに費用がかかります。経営者は、これらのコストと加算による収益増のバランスを慎重に検討する必要があります。

特定事業所加算の取得は、サービスの質の向上につながる可能性があります。定期的な研修や会議の実施、サービス提供責任者の適切な配置などの要件を満たすことで、職員のスキルアップや情報共有が促進されるからです。加算取得により、利用者満足度の向上や事業所の評価アップが期待できます。

特定事業所加算による収益増は、職員の待遇改善に活用することが可能です。給与の増加や研修機会の提供などにより、職員のモチベーション向上や定着率の改善が期待できます。また、質の高いサービスを提供する事業所として認知されることで、優秀な人材の確保につながる可能性があります。

特定事業所加算の取得を検討する際は、以下のポイントを慎重に評価することが重要です。事業所の現状分析、利用者への説明、そして長期的な経営視点からの判断が求められます。

まずは、特定事業所加算の算定要件を満たすための準備状況を確認しましょう。例えば、サービス提供責任者の配置状況、研修計画の策定状況、会議の開催頻度などの点検が必要です。また、加算維持のための体制整備にかかるコストを試算し、現在の経営状況と照らし合わせて実現可能性を評価します。

加算取得に伴う利用者負担の増加について、利用者やその家族、ケアマネジャーに対して丁寧な説明が必要です。加算によるサービスの質の向上や職員の専門性の確保などのメリットを具体的に示し、理解を得る努力が求められます。

特定事業所加算の取得は、短期的な収益増だけでなく、長期的な事業所の競争力や評価にも影響を与えます。介護報酬改定への対応や、地域での事業所の位置づけなども考慮し、総合的に判断することが重要です。

特定事業所加算の取得は、訪問介護事業所の経営に大きな影響を与える重要な決断です。収益増加や事業所評価の向上というメリットがある一方で、利用者負担の増加、報酬返還リスク、加算維持の負担というデメリットも存在します。単なる収益増加の手段ではなく、サービスの質の向上と事業所の競争力強化につながると捉え、慎重な検討と準備を行いましょう。

加算の取得には厳しい条件をクリアする必要があるため、介護ソフトの活用で業務の効率化を図ることをおすすめします。
特に、特定事業所加算の算定でハードルが高いと言われているのが「指示伝達」です。サービス毎の指示と、報告が必要になり、介護記録を紙で行っている場合はかなり難しい要件となっています。

この要件をクリアするには、テレッサモバイルやカイポケなどの、介護記録をクラウド管理するITツールを使うと良いでしょう。

テレッサモバイルは、LINEで介護記録を記録・報告でき、高齢ヘルパーさんにも使いやすいと人気です。事前指示、サービス毎の記録報告がひとつのシステム内で行うことができ、情報伝達がスムーズに行えるだけでなく、シフトとも連動しており、サ責の事務作業負担を大幅に軽減します。

カイポケも同様に、介護記録をスマートフォンで送信。請求まで連動しており、訪問介護以外のサービスにも対応しているので、一気にIT化を進めたい事業所様におすすめです。

「キャプス」では、テレッサモバイルとカイポケを同時に無料でお試し利用することができます。気になるシステムを手間なく比較できるので、効率的ですよ。

投稿者プロフィール

tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。