「利用者様のためにも、安定した事業を続けたい。」そう願っていても、不安を感じることはありませんか。
ヘルパーさんの確保や、日々の事務作業の多さが、いつの間にか利益を圧迫しているかもしれません。
「うちの訪問介護の利益率は本当に大丈夫だろうか?」と、心配される方も多いでしょう。
この記事では、赤字を脱却し黒字化を実現するために、現場の皆さんがすぐに実行できる「黒字化の鉄則」をご紹介します。
この記事を読み終える頃には、経営を安定させるための道筋がきっと見えてくるはずです。ぜひ、経営戦略の策定にお役立てください!
訪問介護の利益率|平均相場と黒字化の鉄則

訪問介護事業を安定的に継続させ、質の高い介護サービスを提供し続けるためには、業界の平均利益率を知り、ご自身の事業所の適正水準を把握することが重要です。
利益の構造を明確にすることで、「次に何をすべきか」という具体的な対策が見えてきます。
訪問介護の平均利益率と自社の適正水準
厚生労働省の最新調査によると、訪問介護の利益率(収支差率)は7.8%であり、介護サービス全体の平均である2.4%を大きく上回っています。
この結果から、訪問介護は介護サービスの中でも比較的利益率が高い事業領域であることが分かります。
こうした公的データを基準に、まずは自社の利益率が業界平均と比較してどの位置にあるのかを把握することが、黒字化経営の第一歩です。
| サービス種別 | 収支差率(利益率) | 備考 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 7.8% | 居宅サービスの中では高い水準です |
| 介護サービス全体 | 2.4% | 全体の平均は低い水準で推移しています |
出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要」
もし、皆さんの事業所の利益率がこの平均値を下回っている場合、それは改善の余地がまだまだ大きいことを示しています。
平均値を上回っていても、物価高騰や人件費の上昇リスクを考えると、利益構造を常に確認し、見直していくことが必要です。
利益を構成する要素|売上・費用と適正な人件費率
訪問介護の利益は、「売上(介護報酬)」から「総費用(人件費+その他経費)」を引いた差額で生まれます。なかでも、特に利益率に影響を与えるのが人件費です。
訪問介護は、職員のサービス提供によって成り立つ労働集約型のビジネスモデルのため、費用構造の中でも人件費の占める割合が非常に高い傾向にあります。そのため、人件費率を適正に管理できるかどうかが、経営の最重要ポイントとなります。
一般的に、訪問介護における人件費率の適正水準は70〜75%程度が目安とされていますが、事業所規模や運営体制、稼働状況によって変動します。
また、訪問介護の報酬は国の制度によって決められており、自由に価格設定ができません。そのため、売上を増やすよりも、費用(特に人件費)の使い方を効率化することが経営の必須課題となります。
売上(基本報酬+加算)と費用(人件費+事務費など)のバランスを常にチェックし、適正な人件費率を維持することが、訪問介護事業所における安定した利益確保の基本です。
出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要」
利益率を改善し売上を伸ばす具体的な戦略

利益率の改善と売上アップは、コストを抑える工夫と売上を伸ばす工夫の両方を同時に進める必要があります。
特に、人件費の最適化と、サービスへの付加価値の向上が重要です。
これらの戦略を計画的に実行することで、事業所の収益性は大きく向上します。
【増収戦略】加算制度と自費サービスの徹底活用
介護報酬の基本単位は国で定められているため、利益率を向上させるには、加算制度を漏れなく活用し、売上単価自体を上げていく戦略が不可欠です。
加算の取得は、サービスの質の向上と報酬アップを両立できる、最も直接的な増収策だと考えてください。
また、介護保険外の自費サービスは、公定価格の制約を受けないため、高利益率を生み出す新たな収益源となります。
- 特定事業所加算は、基本報酬の最大20%の加算が得られるため、高利益率を実現するために最優先で取り組む価値があります。
- 介護職員処遇改善加算なども含め、算定要件をしっかりとクリアし、最大限の加算を取得することで、戦略的な売上向上を図ります。
- 自費サービス(家事代行や通院時の長時間の見守りなど)を導入し、保険内サービスと組み合わせたスムーズな提供体制を構築することで、経営の安定性を高めます。
加算取得要件のデジタル管理や、保険外サービスの実績をまとめて管理することで、事務作業の煩雑さを防ぎながら、利益率の高い収益構造へとシフトすることができます。
【コスト最適化】シフト管理による人件費率の適正化
人件費率は、訪問介護の利益率に最も影響を与える要素であり、シフト管理の最適化こそがコスト最適化の中心となります。
ヘルパーさんの移動時間や事務作業は「隠れたコスト」となり、利益を圧迫します。
移動時間のムダを最小限に抑え、ヘルパーさんの実働時間を最大限に活用できるシフト設計が求められます。
| 訪問ルートの最適化 | 同一地域での連続訪問を基本とし、移動時間を短く抑える設計を徹底することで、無駄な人件費を削減 |
| 短時間サービスの活用 | 20分未満のサービスなど、収益性の高い短時間訪問を効率よく組み合わせ、訪問件数を増やす |
| サ責の負担軽減 | 複雑なルールをシステム化し、自動シフト作成を導入することで、サ責が利用者様への支援といったコア業務に集中しやすくする |
人件費率を適正に保つためには、訪問介護員一人ひとりの稼働率をしっかりと把握し、サービス提供の密度を高めることが最も重要です。
【業務効率化】モバイルシステム活用で記録コストと稼働率を改善
訪問介護の現場では、記録業務と事務作業に多くの時間が割かれており、これが利益を圧迫する大きな要因です。
これをモバイルシステムで完結させることは、現場の生産性を一気に向上させます。
モバイルシステムを導入することで、移動中や訪問と訪問の間の隙間時間に記録作業が完了するため、事業所での事務作業による残業代の削減という形で、ダイレクトに利益率に貢献します。
| 業務効率化のインパクト | 削減されるコスト・時間 |
|---|---|
| 訪問記録のデジタル化 | 事業所での転記・チェック・修正・保管作業(月間数十時間) |
| 情報共有のリアルタイム化 | 電話連絡、確認作業、インシデント防止のための手間 |
| 実績入力・請求連動 | サービス提供責任者の事務的な作業時間 |
モバイルツールは、単に記録の手段を変えるだけでなく、労働時間を正確に把握し、適正な人件費管理を行うための重要なツールとなり、結果として低稼働率の改善にも寄与します。
【利用者獲得】ケアマネ連携強化と地域での評価向上
訪問介護の売上は、地域のケアマネジャーとの強固な信頼関係なくして向上させることは難しいでしょう。
単なる営業ではなく、地域包括ケアの一員としての高い価値を提供することが重要です。
ケアマネジャーが自信を持って紹介できる「選ばれる事業所」になることが、最も確実な利用者獲得戦略となります。
- 「質の高いサービス」と「緊急時の対応力」を徹底し、事業所の評判を高める
- 空き枠情報をリアルタイムで共有し、急な依頼にも柔軟に対応できる体制を整える
- ケアマネとの連携を密にし、サービス内容の報告を迅速かつ正確に行うためのツールを活用する
ケアマネジャーとの連携を深め、紹介件数を安定的に増やすことが、結果として訪問介護員全体の稼働率を高めることにつながります。
経営効率を高めるシステムやサービスの活用を

訪問介護の利益率改善は、紙や電話による非効率な業務をデジタル化することで、初めて実現可能です。
ここでは、その解決策としてシステムやサービスの活用をご提案します。
| ツール・サービス | 特徴 |
|---|---|
| テレッサモバイル | 介護記録を電子化し効率アップ。低価格でシンプルな操作性から導入ハードルが低いのがポイント。請求システムは変えたくないという事業所の導入も多い。 |
| カイポケ | 介護記録の電子化~請求まで一気通貫で完全システム化したい事業所、通所・訪問看護など複数のサービスを運営している場合におすすめ。 |
| スキャニングサービス | システム化はまだ早いけど、介護記録の保管に課題を感じている事業所のスタートラインに。 |
| 研修動画サービス | 特定事業所加算を取りたいが個別研修がネックになっている、研修にかける時間がないと感じている場合に活用! |
それぞれ詳しくみていきましょう。
訪問介護の利益率改善に直結する「テレッサモバイル」

テレッサモバイルは、現場のヘルパーさんが使い慣れたLINEアプリを使ってサービス実施記録を報告できる、画期的なシステムです。
介護記録に特化しているため、請求システムは既存のものを使いたい、介護記録の部分だけ効率化できていない、機能の多いシステムは使いこなせるか心配、まずは介護記録のみシステム化したい、という事業所様におすすめです。導入時のハードルを低くし、スムーズに記録の電子化、事務作業の効率化を図ります。
最大の特長は、紙の記録をなくし、記入ミスによる書き直しや印鑑の捺印作業など、無駄な事務作業をゼロに近づける点です。
- ヘルパーさんはLINEで実施記録を報告するだけというシンプルな仕組み
- 介護保険・障害者総合支援の介護記録に対応
- ベーシック版の報告データは「サービス提供表」「サービス提供実績記録表」の形式で確認可能
特に、年配のヘルパーさんでもスムーズに導入できるシンプルな操作性は、デジタル化への抵抗を減らし、事業所全体の生産性向上に貢献します。
テレッサモバイルによる移動・記録時間の削減効果
訪問介護の収益を圧迫する最大の要因の一つは、サービス提供時間外に発生する移動と記録にかかる時間です。
記録には、書く、提出する、チェックする、修正する、転記する、保管するといった事務作業が毎日発生しています。
テレッサモバイルは、これらの作業時間を大幅に削減します。
LINEを使って紙の記録がなくなることで、ヘルパーさんは事務所に立ち寄る必要がなくなり、自宅からの直行直帰が可能になります。
サ責の方は、リアルタイムで報告を確認・修正できるため、「月末に一気にドーンと記録が提出される」という状況がなくなり、負担軽減に直結します。
テレッサモバイルが選ばれる理由|利益改善につながる具体的な機能
テレッサモバイルが選ばれるのは、現場の使いやすさとサ責の負担軽減が両立しているからです。
特に、在宅・テレワークを可能にする機能が、事業所のコスト構造と働き方を根本から改善します。
ネット環境があれば、ヘルパーさんの管理業務やスケジュール調整、指示伝達をすべて在宅で完結できるため、サ責さんの多忙な業務を分散できます。
- ネット接続で管理業務を在宅・テレワークで実施可能
- 利用者家族、担当医師、ケアマネとの情報共有をLINEの機能でスムーズに実現
- 訪問介護計画書作成・請求業務もリモート接続で自宅から作業可能
利用者様や従業員同士の接触を減らすことができ、感染リスクの低減にもつながるため、安全性の向上という点からも、テレッサモバイルの導入は経営的なメリットが大きいと言えます。
複数サービスの利益率改善には「カイポケ」

カイポケは、請求まで一気通貫でシステム化できるツールです。請求システムも変更したい(新たに導入したい)、シフトや介護記録から請求までひとつのシステムで完結できるようにしたいという事業所様におすすめです。
また、カイポケは、提供サービスが充実しているため、複数サービスを運営している/今後サービスを追加する予定がある場合はカイポケを選んでおくと安心です。カイポケの提供するサービスは以下の通りです。
・居宅介護支援
・通所介護
・訪問介護(介護・障害福祉)
・訪問看護
・放課後等デイサービス/児童発達支援
・通所リハ/デイケア
・福祉用具貸与・販売
・居宅療養管理指導
・認知症対応型通所介護
・訪問入浴
・訪問リハビリテーション
・夜間対応型訪問介護
・サ高住・有料老人ホーム
複数サービスを同一システムに統一することで、情報共有や教育の無駄を削減し、利益率改善に役立ちます。
システム化はまだ|記録用紙の効率保管に「スキャニングサービス」

介護記録の電子化はまだ難しいけれど、日々の記録用紙の保管に困っているという事業所様は、まずは記録用紙の電子保管からスタートしてみてはいかがでしょうか。
介護記録は保管期間が定められており、利用者数に応じてどんどん増えていきますよね。保管にかける時間と場所も必要ですが、日時や利用者を特定して取り出す場合にも探す手間がかかります。
スキャニングサービスは、溜まった記録用紙をPDFもしくはJPG形式のデータに変換してくれるサービスです。
記録用紙を保管していたファイルも保管庫も不要に!すっきり快適になること間違いありません。
記録用紙は保管する際も、取り出す際も、意外と時間が取られるもの。小さなところから効率を上げていきましょう。
利益率改善に個別研修がネックになっている|研修動画サービス

利益率改善のためには加算取得が必須であるとお伝えしましたが、特定事業所加算の取得要件である個別研修の計画と実施にハードルを感じている事業所も多くあります。日々のサービスや業務に追われるなか、研修までなかなか手が取れないという状況もあるでしょう。
そんな事業所様におすすめなのが、研修動画サービスです。
研修動画が定額で見放題、法定研修はもちろんのこと、算定要件の一つである”訪問介護員等・サービス提供責任者ごとに作成された研修計画に基づく研修の実施”を満たすことができ、研修における負担が大幅に軽減されます。
テレッサモバイルなど介護記録の電子化も併せて活用することで、特定事業所加算の算定要件でハードルが高いといわれている「適宜報告」「個別研修」がクリアでき、特定事業所加算算定に役立ちます。

厳しい経営環境の中で事業を継続させ、質の高い介護を提供し続けるためには、利益率の改善が不可欠です。
訪問介護の利益率を高めるためには、「人件費の適正化」と「加算の徹底活用」に加え、「業務効率化」が決定的な鍵になります。
利益率改善と生産性向上を実現するための最も確実な一歩は、現場の記録・情報共有のデジタル化です。
非効率な業務から解放され、質の高いサービスと安定した経営の両立を実現させましょう。
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投稿者プロフィール

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特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。
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