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訪問介護で適用される2時間ルールとは?具体的な事例で解説します

サ責はもちろん、訪問介護ステーションで働く方であれば、2時間ルールという言葉を聞いたことがあるでしょう。

2時間ルールは適切な介護報酬を請求するために設けられている大切な決まりです。訪問介護事業所で働く方であればしっかり理解しておきましょう。

この記事では、2時間ルールの具体例や決まりについて解説しますので、ぜひチェックしておいてください。

訪問介護の2時間ルールとは、1人の利用者に対し、1日に複数のサービスを提供する際にその間隔を2時間以上空けなければならないというルールです。

もし、2時間以上の間隔が空いていなければそれぞれを算定するのではなく合算して算定しなければなりません。これは、短時間のサービスを複数回算定して高い報酬を得ようとするのを防ぐためです。

訪問介護の報酬は、時間が短いほど時間あたりの単価が高く設定されています。そのため、長時間のサービスを1回提供するよりも、短時間サービスを複数回提供してそれぞれ算定するほうが高い報酬が得られます。

2時間ルールは、適切な介護サービスを提供するためにも必要なルールです。このようなルールがなければ、1日に何度でもサービス提供ができてしまいます。介護保険サービスは、ケアプランに基づいてその方にとって必要な援助が提供されなければなりません。2時間ルールは、一つひとつのサービスの内容やその目的、提供時間などを明確にする大切な役割をも果たします。

2時間ルールの適用事例を詳しく見てみましょう。

1日に2回サービスを提供した場合、1回目のサービスと2回目のサービスに2時間以上の間隔が空いている場合には、2時間ルールは適用されません。

◯月△日

時間援助内容サービス区分単位
12:00〜12:30食事介助30分以上1時間未満の身体介護387単位
17:00〜17:30食事介助30分以上1時間未満の身体介護387単位

この場合、1回目のサービス終了時間12:30のあと、次のサービスが始まる15:00まで2時間以上の間隔が空いているため、それぞれの単位が請求できます。 この日は、387単位+387単位=774単位の請求ができます。

次に、2時間ルールが適用されるのは以下のようなパターンです。

◯月△日

時間援助内容サービス区分単位
12:00〜12:30食事介助30分以上1時間未満の身体介護387単位
14:00〜14:30全身清拭30分以上1時間未満の身体介護387単位

この場合は、1回目のサービス終了時間12:30のあと、次のサービスが始まる14:00まで1時間30分しか空いていないため2時間ルールの適用となります。2つのサービスは同一サービスとみなされるため合算します。合計で60分の提供時間なので、サービス区分は「1時間以上の身体介護」となり、567単位の請求です。

このように、それぞれで請求した場合には合計で774単位請求できますが、2時間ルールが適用されると少ない報酬となります。

実際にサービスを提供していると2時間以上の間隔を空けるのが困難なケースもあるため、例外となるサービスも定められています。2時間ルールが適用されないケースについても確認しておきましょう。

指定訪問介護事業所の認可を受けている事業所が提供する、20分未満の身体介護は2時間ルールが適用されません。

20分未満の身体介護である「身体0」には「身体01」と「身体02」の2種類があり、うち、身体02は「2時間ルールが適用されない20分未満の頻回の身体介護」のことを指します。

身体0は、体位交換・服薬介助・モーニングケア・イブニングケアなど、短時間かつ定期的な援助が必要な方のためのサービスです。認知症の方や看取り期の方のケアなど頻繁な訪問が必要な方が利用しやすいように設定されています。そのため、身体02は2時間ルールの適用外として認められています。

緊急時訪問介護加算は、ご利用者やご家族から訪問介護の依頼を受けて、緊急にサービス提供したときに算定できる加算です。この緊急時訪問介護加算が算定されるケースは、2時間ルールの適用外となります。

ただし、緊急時訪問介護加算が算定できるのは、やむを得ない事情で訪問介護計画書に位置づけられていないサービスを、24時間以内に提供したときに限られます。また、ケアマネジャーがその必要性を認めていなければ算定できません。

看取りの時期に差し掛かっているご利用者に対して行われる訪問も、2時間ルールの適用外です。このルールは、令和3年の介護報酬改定で示されました。終末期には、痛みなどの症状の緩和や褥瘡予防のための体位交換、水分補給など、こまめな対応が必要になります。終末期にあるご利用者への柔軟な対応を評価するために、2時間ルールが弾力化されています。

通院等乗降介助は、訪問介護員が運転する車で通院先まで送迎するサービスです。車の乗降や移動介助、受診の手続きなど付随する支援も行います。通院等乗降介助サービスは、時間をコントロールすることが難しいため2時間ルールの対象とはなりません。往復のサービス提供時間が2時間未満であっても、行きと帰りでそれぞれ算定することが可能です。

紙よりお得

今回の記事では、訪問介護の2時間ルールについて解説しました。2時間ルールは適正な介護報酬を請求するために大切なルールです。サービスを実施する目的を明確にすることにもつながります。2時間ルールの意義をしっかり理解して適切に請求しましょう。

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tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。