
介護記録は介護現場で欠かせない書類のひとつです。しかし、介護記録の重要性や、法律的な意味や目的をきちんと知ったうえで書いている人はどれぐらいいるのでしょうか。
なんとなく書いているだけではただただ「めんどくさい」と感じてしまったり、介護記録のずさんな扱い方がサ責の業務負担の増加や、場合によっては介護報酬=スタッフの給与に直結することもあります。
介護記録はなぜ必要か、介護記録をつける意味や目的を知ることで、スタッフの意識にも変化があるかもしれません。この記事では介護記録の重要性や、法律的な面から意味や目的をまとめています。ぜひ最後までお読みください。
介護記録は法律で義務付けられている
介護記録は、介護保険法および関連省令により、作成・保管が義務付けられています。具体的には、以下のような法令が根拠となります。
法的根拠の一例
介護保険サービスは、公的なサービスであるため、その記録についても義務付けられています。
- 介護保険法施行規則 第37条 指定介護老人福祉施設は、サービス提供に関する記録を整備し、完結の日から2年間保存しなければならない。
- 厚生省令第39号(平成11年) 提供したサービス内容、身体拘束の状況、事故対応、苦情対応などの記録を整備・保存することが義務。
つまり、介護記録は単なる業務報告ではなく、法的に義務付けられた「証拠資料」であり、介護報酬の根拠にもなる重要な書類です。
介護記録の目的と意義

介護記録には、法律上の義務だけでなく、現場運営や利用者支援においても多くの目的と意義があります。
職員間の情報共有
複数のスタッフが交代で介護を行う現場では、記録が情報共有の要です。利用者の状態や対応履歴を記録することで、サービスの質を安定させることができます。
多職種連携の基盤
医師、看護師、ケアマネジャーなど他職種との連携において、介護記録は共通の情報源となります。利用者の健康状態や生活状況を正確に伝えることで、チーム支援が円滑に進みます。
トラブル・事故時の証拠
転倒や誤嚥などの事故が発生した際、介護記録は対応の正当性を証明する資料になります。記録がなければ、事業所や職員が不利な立場に立たされる可能性もあります。
ケアプラン作成の資料
日々の記録は、ケアプランの見直しや目標設定の根拠になります。利用者の変化を把握し、適切な支援方針を立てるために欠かせません。
職員教育・育成ツール
記録はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)にも活用できます。新人職員の指導や、専門用語の理解、観察力の向上に役立ちます。
介護記録に書くべき内容
法律では記録のフォーマットは定められていませんが、以下の項目は最低限記載すべき内容とされています。
- サービス実施の日時・場所
- 実施した内容
- 利用者の状態(バイタル、言動、反応など)
- 実施担当者名
記録の基本は「5W1H+結果」
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- Why(なぜ)
- What(何を)
- How(どのように)
- Result(結果)
この構成で記録することで、誰が見ても状況が明確に伝わる記録になります。

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記録時の注意点
介護記録は、利用者本人や家族、行政職員、他事業所の関係者など、第三者が閲覧する可能性があります。そのため、以下の点に注意しましょう。
- 専門用語や略語は避け、誰でも理解できる表現にする
- 憶測や感情ではなく、事実に基づいた記述を心がける
- 差別的・侮蔑的な表現は絶対に使用しない
- 記録の目的を意識し、簡潔かつ具体的に記載する
介護記録の電子化と法律の関係

近年では、介護事業所の業務効率化を目的に、介護記録の電子化が進んでいます。スマートフォンやタブレットを使った記録は、法律上も認められており、ペーパーレス・印鑑レスでの運用が可能です。
電子記録のメリット
- 記録時間の短縮(音声入力やテンプレート活用)
- リアルタイムでの情報共有
- 紛失リスクの低減
- 直行直帰の働き方に対応
ただし、電子記録でも「記録の保存」「利用者からの開示請求への対応」など、法律上の義務は変わりません。
記録業務の効率化にはICTツールの活用を
介護記録の重要性は理解していても、「時間がかかる」「何を書けばいいかわからない」「事業所に戻るのが面倒」といった悩みは現場でよく聞かれます。
そこで注目されているのが、介護記録専用のICTツールです。
テレッサモバイルの活用例

- LINEを使った記録送信で、スマホから簡単に報告
- サ責・管理者がPCでリアルタイムに記録を確認
- 記録のテンプレート化で記入時間を短縮
- 直行直帰が可能になり、スタッフの満足度向上
テレッサモバイルは、スマホを持って入ればいつでも、どこでも介護記録が入力でき、介護記録の法律要件を満たしながら、現場の業務負担を軽減するツールとして多くの事業所で導入されています。
介護記録業務を適切かつ効率的に行い、事業所のサービスの質向上を目指しましょう。
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投稿者プロフィール

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5年にわたり祖母の介護を経験。その経験を元に、介護の世界へ。
現在はライターとして介護の記事を中心に執筆中。
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