介護報酬の請求業務について、以下のような疑問や悩みをお持ちではないでしょうか?
- 介護報酬の請求業務の流れは?
- 介護報酬請求時の注意点は?
- 介護報酬の請求業務のミスを防ぐ方法は?
本記事では、介護報酬の請求業務を行う介護事務やケアマネジャー、介護事業所などに向けて役立つ内容をお届けします。
介護報酬の請求について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
介護報酬の請求業務とは?
介護報酬請求業務とはレセプトとも言われ、介護事務の仕事のひとつで、以下のようなことを行います。
- 介護給付費請求書の作成
- 介護給付費明細書の作成
- 介護サービスを受けた利用者さんへの請求書の作成
- 必要書類を国民健康保険団体連合会に提出
- 介護報酬の受け取り
介護報酬の請求業務は、介護事務の方や生活相談員、ケアマネジャーなどが対応します。
介護報酬の請求業務は、介護保険にかかわる非常に重要な業務です。なぜなら、介護事業所が提供した介護サービスを国民健康保険団体連合会に伝えることで、介護事業所の大きな財源である介護報酬を受け取るために必要だからです。
介護報酬請求の流れ
介護報酬の請求業務の流れは、以下のとおりです。
- ご利用者と契約する
- 介護サービスの提供実績を報告する
- 国民健康保険団体連合会に請求する
- ご利用者の請求書を作成する
- 国民健康保険団体連合会から介護報酬が支払われる
それぞれの内容を見ていきましょう。
1.ご利用者と契約する
デイサービスや訪問介護など居宅系サービスの場合であれば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーから依頼を受けて、サービスを提供する介護事業しょとご利用者が契約します。
特養や老健など施設系サービスの場合は、施設とご利用者が直接契約し施設内で介護サービスを提供する形になります。
2.介護サービスの提供実績を報告する
居宅系サービスの場合は、ご利用者と契約しサービス提供後、居宅介護支援事業所に介護サービスの実績を報告します。
施設形サービスの場合は、施設内で提供した介護サービスの内容を記録し、実績として残しておきましょう。
保険適用外のサービス提供や、サービスの利用中止などがあれば、その記録もしっかりと残しておくことが大切です。
3.国民健康保険団体連合会に請求する
提供した介護サービスの実績から、以下2つの書類を作成しなければいけません。
- 介護給付費請求書
- 介護給付費明細書
毎月1日〜10日の間に国民健康保険団体連合会に提出する必要があるため、月末から月初にかけて余裕を持って作成しておきましょう。
提出方法は、原則インターネットまたは電子媒体で行います。
提出方法に関する疑問がある場合は、各都道府県の国民健康保険団体連合会に問い合わせてください。
4.ご利用者の請求書を作成する
介護報酬の請求は、国民健康保険団体連合会以外に、ご利用者にも行う必要があります。
ご利用者の介護保険負担金額は、それぞれの収入によって異なります。介護保険サービスを利用している場合は、基本的にご利用者の負担金額は1割です。
ただし生活保護の方は支払いが発生しないケースや、介護保険外サービスを利用した場合は全額自己負担になる点などは把握しておきましょう。
5.国民健康保険団体連合会から介護報酬が支払われる
介護報酬の請求は、以下のように二度の審査が行われます。
- 国民健康保険団体連合会による一次審査
- 各市町村による二次審査
請求した内容に不備がなければ、翌々月に国民健康保険団体連合会から介護報酬が支払われます。
請求内容に問題があった場合は、書類の修正や再提出が必要になる場合もあるでしょう。
介護報酬請求時の注意点
介護報酬請求時は、以下3つのことに注意しましょう。
- 請求内容に不備があると介護報酬が支払われない
- 要介護度が未定の場合は月遅れの請求になる
- 介護報酬の支払決定後の訂正は過誤申立が必要になる
それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
1.請求内容に不備があると介護報酬が支払われない
請求書や明細書の内容に誤りがある場合は、国民健康保険団体連合会から書類を返却される場合があります。
返却された場合は、修正して再提出しないと介護報酬の支払いが行われません。
とくに訪問介護サービスの場合は、居宅介護支援事業所から必要書類が提出されていないと保留状態となり、支払いが行われないケースもあります。
介護報酬が支払われない場合は、担当している居宅介護支援事業所と連絡をとり、保留状態の理由を確認しましょう。
2.要介護度が未定の場合は月遅れの請求になる
国民健康保険団体連合会への請求までに、ご利用者の要介護認定が完了していない場合、月遅れで介護報酬の請求をすることになります。月遅れとは、サービス提供をした月の翌月10日までに請求できず、翌々月以降に請求することです。
月遅れの請求になりそうな場合は、要介護認定の結果が出たらすぐに請求できるよう、事前準備を確実にしておきましょう。
3.介護報酬の支払決定後の訂正は過誤申立が必要になる
国民健康保険団体連合会に介護報酬の請求をし、支払いが決定した後に請求内容の誤りに気づいた場合で、すでに支払いを受けた後であれば返還の手続きが必要です。この返還手続きのことを「過誤申立」といいます。
過誤申立をした場合は、支払いされた介護報酬を一旦返還し、その後正しい金額で請求し直すため、介護報酬の支払いが遅れます。
そのため、介護報酬の請求をするための書類は、提出前に誤りがないかしっかりと確認して手続きしましょう。
介護報酬請求業務のミスを防ぐ3つの方法
介護報酬請求業務のミスを防ぐ方法として、以下の3つが挙げられます。
- ダブルチェックする
- 請求ツールを導入する
- 請求代行サービスを利用する
それぞれ具体的な方法を確認していきましょう。
1.ダブルチェックする
もっとも手軽方法は、以下の方法でダウブルチェックすることです。
- 自らの目視で何度も確認する
- 作成者以外に確認してもらう
- 提出前の最終チェックを必ず行う
どうしても数字を扱う業務になるため、確認なしで1発でミスなく作成するのは困難です。
必ず自分以外の第三者に確認してもらうことで、ミスを確実に減らせられるでしょう。
2.請求ツールを導入する
介護報酬の請求業務は正確に作成する必要があるため、確認作業が多く面倒です。ミスがあると請求業務が遅れ、結果的に介護報酬の支払いも遅れます。
現在は、さまざまな介護報酬の請求業務に活用できるツールが存在しているため、ITの力を利用するのがおすすめです。
ITであればこまかい数字の入力も、負担なく正確な数字で行ってくれます。
ミスが許されない作業だからこそ、人間だけの力でやらないといった選択もありでしょう。
3.請求代行サービスを利用する
以下のような場合は、請求代行サービスの利用がおすすめです。
- 確実にミスなく請求業務を行いたい
- 請求ツールを導入しても使い方がわからない
- 請求業務をすべて外部サービスに任せたい
請求代行サービスを利用すれば、請求業務の負担が大幅に削減されるため、空いた時間を別の業務に充てられるメリットがあります。
介護報酬の請求業務は便利な代行サービスがおすすめ
今回は、介護報酬の請求業務について解説しました。
事業所の貴重な収益である介護報酬を得るためには、請求業務が必須です。介護報酬の請求業務は正確な数字で請求書類を作成する必要があり、負担が大きい業務のひとつです。
私たち「株式会社キャプス請求代行システムズ」では、面倒な介護報酬の請求業務を代行するサービスを提供しています。
代行サービスは請求業務をすべて任せられるため、以下のようなメリットが期待できます。
- 請求業務時間を大幅にカット
- 人件費削減
- 残業代削減
たとえ便利なツールを導入しても、ツールを使うための時間やコストはかかります。
代行サービスは費用はかかるものの、完全に業務を任せていただければ、時間的負担はゼロです。
訪問介護の請求業務にお困りの方や、代行サービスに興味がある方は、ぜひ以下「株式会社キャプス請求代行システムズ」の詳しい内容をご覧ください。
Author Profile
- 介護業界16年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。現在は介護職以外に、介護士の転職メディア「介護士の転職コンパス」の運営や、複数のメディア(介護に限らず)でWebライターとして活動中。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。
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