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【例文あり】訪問介護のモニタリングシートの書き方を解説!

モニタリングシートの書き方についてお悩みではないでしょうか?

聞き取りや文章作成など、苦手意識があるサ責さんもいるかもしれません。

この記事では、モニタリングで大切な視点を具体的な例文を交えてお伝えします。効果的なモニタリング方法を理解してサービス向上を目指しましょう。

モニタリングとは、訪問介護計画書に沿ってサービスが提供されているかを評価する作業のことです。サービス開始時に立案した計画を実行することによって、ご利用者がどのように変化したのかを確認します。

訪問介護のモニタリングはサービス提供責任者の責務です。

「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の第24条の5には次のように定められています。

サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成後、当該訪問介護計画の実施状況の把握を行い、必要に応じて当該訪問介護計画の変更を行うものとする。

厚生労働省 「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

介護計画は一度立案すれば良いものではありません。ご利用者の心身の状況や生活環境は日々変化していきます。特に高齢者は、心身の変化が起きやすいため、満足度の高いサービス提供のためにはこまめなモニタリングを実施し、必要に応じてサービス内容を見直す必要があります。

サービスの実施状況を定期的に確認することはサービス提供責任者の責務ですが、その頻度は明確に定められていません。ただし、ケアマネジャーが作成するケアプランの長期・短期目標の有効期間内に、少なくとも1回は実施する必要があります。

一般的には、初回訪問から1ヵ月後に一度状況を確認し、その後は数ヵ月に1回の頻度で実施されています。毎月サービス提供票の実績をケアマネジャーに提出する際に、1ヵ月の利用状況を記載したモニタリング報告書を添付する事業所も多いです。

サービス提供責任者は、ご利用者の心身やニーズの変化に応じてモニタリングを実施していかなくてはなりません。また、変化がなくても聞き取り等で定期的に確認することで、より正確な状況やニーズを把握することにつながります。

訪問介護のモニタリングには、決められた書式もありません。そのため、事業所が書きやすいように独自でシートを作成することが可能です。ただし、効果的なモニタリングを行うためには、必要な項目を取り揃えておく必要があります。

全国ホームヘルパー協議会のホームページに様式例として添付されている書式には以下のような項目が記載されています。

  • ご利用者情報(名前・住所)
  • 訪問日時
  • 面接者、訪問した職員名
  • 訪問理由(定期訪問・定期訪問でない場合具体的な理由)
  • 利用者の状況変化
  • 利用者の満足度
  • 家族の満足度
  • サービス内容の問題
  • 訪問介護員の技術等の問題
  • 満足度・サービス内容・訪問介護員に対する利用者本人・家族の意見等
  • 訪問介護計画見直しの必要性
  • 事業所内カンファレンス開催の必要性
  • 居宅介護支援事業所へ連絡すべき特記事項 など

参考:全国ホームヘルパー協議会「訪問介護と居宅介護支援の連携手順と様式例」

上記を参考に最低限必要なポイントを抑え、事業所内で聞き取りやすい書式を検討すると良いでしょう。

ここからは、モニタリングの視点を具体的な例文と合わせて解説していきます。

訪問介護計画書の記載内容通りにサービスが提供できているかを確認します。計画通りにできていないということは、現在のご利用者の状況に合っていないことが考えられるため、まずは実施状況の確認が大切です。

サービスの実施状況は、ご利用者だけでなく担当するヘルパーの記録の確認や聞き取りも重要な情報です。

〈例文〉
7月に浴室で転倒した経験から入浴に不安を抱えておられたが、訪問介護サービスにより週2回の入浴が安全にできている。浴室内の移動は介助・見守りが必要だが、洗髪・洗身はご自身で問題なく行えている。
自立支援のため、自身で調理を行っていただくが時々手順がわからなくなられる。しかし、ヘルパーの声掛けによりすぐに思い出して比較的スムーズに実施できている。調理方法にはご自身のこだわりがあるので、できる限り尊重して見守っている。
週1回のヘルパーの支援と、ご家族のサポートで買い物はこと足りている。ただ、訪問介護で購入できないお酒やタバコを依頼されることが多いとヘルパーから報告があるため、ご家族と相談が必要。
デイサービスの準備をしているときはあまり気が乗らない様子で、「今日はしんどいからお休みしようかしら」とおっしゃることが多い。ヘルパーがデイの職員さんの話や、レクリエーションの話をすると少しずつ表情が和らぎ、お迎えの車が来ると笑顔で出発される。

ご利用者の心身の状況や環境の変化を観察し、新たなニーズがないかを汲み取ります。チェックする項目には以下のような視点があります。

  • ADLの変化
  • 認知症の進行
  • 体調の変化
  • ご家族の介護の状況
  • 自宅など生活環境の変化

これらの項目はサービス導入時のアセスメントだけでは把握できない場合も往々にしてあります。サービス提供を通してさまざまなニーズや課題に気づくケースが多いので、サービス開始直後のチェックも大切です。

〈例文〉
糖尿病の数値が悪化しているので主治医より食生活見直しの指示あり。調理支援や買い物内容などを見直す必要がある。訪問看護ステーションに相談が必要。
シルバーカーでの買い出しが大変だったので、週1回の買い物支援は非常に助かっているとのこと。土日に娘様が訪問して冷蔵庫のチェックをされていたが、病気が発覚し来月手術予定。娘様が作り置きもされていたので、買い物や調理の支援を増やすことも検討する必要がある。
腰痛があるため、布団から立ち上がるのが困難になっている。布団の上げ下ろしにも時間がかかっている。娘様より介護ベッドを検討したいと相談あり。ケアマネジャーに連絡する。

ご利用者様やご家族様の満足度も、モニタリングをする上で重要な視点です。普段から少々不満に思っていることがあっても、なかなか言い出せないご利用者も多くいます。もし不満がある場合、少しでも早く対応しておくことで大きな問題にならずにすむこともあります。モニタリングの場で改めて質問することで、正直な気持ちを伝えてくれる場合もあるので、この機会を大切に質問してみるようにしましょう。

〈例文〉
浴槽から立ち上がれなくなったことがあり、自宅での入浴が不安だったがヘルパーの支援によりゆっくり湯船につかることができるようになった。妻の介護負担も大幅に軽減され、自分の時間が持てるようになったと喜んでおられた。
冷蔵庫の中の整理を頼んでいるがいつも散らかった状態で乱雑に物が入れられている、掃除機がけも隅の方のホコリが吸い取れていないと娘様よりご指摘あり。ヘルパーに掃除方法を確認し、手順書の整備を行う。

モニタリングには、訪問介護計画書に記載されている目標の進捗を確認する大切な役割があります。援助をこなすことに精一杯になり、目標を見失わないようにモニタリングの機会を通して達成度合いを確認しましょう。必要に応じて目標の修正を行います。

〈例文〉
自立を目標に、ヘルパー見守りのもとご自身で調理を行っていただくことで自炊ができるようになっている。気分が落ち込んでいるときは声掛けにより意欲が向上することも多い。今後も継続して自身でできることは行っていただくように見守る。
排泄の自立を目標にヘルパーや夫による定期的なトイレ誘導を継続してきたが、認知症の進行に伴い失禁が増えている。訪問時にトイレに誘導すると下着が汚れており、タンスに隠しているときもある。夫の腰痛悪化により介助が困難になっており、介護疲れもみられる。リハビリパンツの使用や、レスパイトケアの検討が必要。

今回の記事では、訪問介護のモニタリングについて例文をもとに解説しました。モニタリングはサ責にとって非常に重要な業務です。実際にご本人やご家族に聞き取りを行うことで、より良いサービス提供につなげられます。

また、効果的なモニタリングには日頃から実際に介助している担当ヘルパーさんが知り得る情報が何より重要です。訪問介護ではヘルパーさんが直行直帰の場合も多いため、日頃の何気ない情報を見逃してしまうことが懸念されます。積極的にコミュニケーションを取り、情報を取り逃がさないようにしましょう。

正確なモニタリングを実施するためにも、日々の介護記録が大切です。
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tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。