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訪問介護で安否確認のみの算定はできる?見守りが必要な方の対応策を解説

一人暮らしや家族が不在にしがちな高齢者の方には、安否確認や見守りサービスだけを利用したいと希望する方もいるのではないでしょうか?

今の時点では身の回りのことは自分で出来るので、介護サービスは不必要だと思っていても、いざという時の心配はつきないものです。

核家族化が進み地域との交流も少なくなった現代では、人と人のつながりが希薄になり、孤独死の問題が深刻化しています。最近は自治体でも孤独死対策に積極的に取り組んでおり、民間でもさまざまなサービスを提供する企業が増えています。

今回の記事では介護保険における安否確認について解説します。介護保険を使わない安否確認の方法についても解説しますので、見守りが必要なご利用者へのサービス提供の参考になさってください。

お元気な独居高齢者の中には、孤独死を心配して訪問介護事業所に安否確認のみのサービスを依頼したい方がいるかもしれません。しかし、訪問介護のサービス内容が「安否確認」や「健康チェック」のみの場合には、訪問介護費は算定できません

厚生労働省の通知である「老計第10号」には、訪問介護として行えるサービス行為として「安否確認」が明記されています。しかし、安否確認を行うことはできても、ほかのサービスに入る時に併せて行うべきものとされています。安否確認が目的のサービス提供だけは単独で算定できません

訪問介護で、安否確認サービスの利用ができない場合はどのような対策をしたらよいのでしょうか?安否確認や見守りサービスが必要な方が利用できる、介護保険サービスをご紹介します。

頻繁な見守りが必要でなければ、何らかの介護保険サービスを利用するだけでも安否確認になります。要介護の認定を受けて介護保険サービスを何か一つでも利用すれば、担当のケアマネジャーが決定するので、少なくとも月に1回は様子を確認してもらえるからです。

週に1回訪問介護サービスを利用すれば、最低でも週に1回はヘルパーが自宅に訪問した際に安否確認ができます。身の回りの介護が必要ないと思っている方であれば、デイサービスやデイケアを利用するのも一つの方法です。定期的な通所サービスの利用で安否確認ができ、介護予防にもつながります。

訪問介護サービスには、20分未満の身体介護「身体0」の区分があります。身体0では、毎日定期的な時間帯に必要な、起床介助・就寝介助・排泄介助・服薬介助・体位交換などの身体介護を提供することが可能です。短時間の身体介護サービスを毎日提供することで、安否確認も併せて行えます。

例えば、認知症のご利用者宅に毎日訪問し、必要な声かけや服薬介助などを行うことで安否確認を兼ねることができます。ターミナルケアの方へ複数回訪問し、おむつ交換・体位変換、水分補給などを実施しながら体調確認することも可能です。

安否確認の単独での算定はできませんが、短いサービスとの組み合わせを検討してみると良いでしょう。

地域密着型サービスの中には、安否確認や随時対応などが可能なサービスがあります。

  1. 夜間対応型訪問介護
  2. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  3. 小規模多機能型居宅介護
  4. 看護小規模多機能型居宅介護

4つのサービスの概要をチェックしてみましょう。

夜間対応型訪問介護は、夜間帯に訪問介護サービスが受けられる介護保険の地域密着型サービスです。サービス提供時間は、18〜8時の時間帯でそれぞれの事業所により設定されています。

夜間対応型訪問介護では、定期的な訪問で安否確認や排泄介助などを行う「定期巡回サービス」と、ご利用者の要請に応じてヘルパーが訪問する「随時対応サービス」が受けられます。定期巡回サービスでは、ケアプランで決められている訪問時間や回数、援助内容に沿って安否確認のみのサービスでも提供が可能です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、夜間対応型訪問介護と同じように定期巡回と随時対応のサービスが受けられます。

訪問介護だけでなく訪問看護も受けられるため、医療ニーズのある方にも安心です。24時間体制なので、日中・夜間を通じて安否確認をしてもらえます。

小規模多機能型居宅介護は「訪問介護」「通い」「泊まり」のサービスが受けられる地域密着型サービスです。月額定額制で回数に制限なく3つのサービスがうけられ、要支援の方でも利用できます。

小規模多機能型居宅介護の訪問介護では、訪問の回数や時間、支援内容を個々のニーズに合わせて設定します。緊急時も柔軟な対応が可能なので安心です。

小規模多機能型居宅介護に医療サービスがプラスされているのが「看多機(かんたき)」と呼ばれている「看護小規模多機能型居宅介護」です。

「訪問介護」「通い」「泊まり」に加え「訪問看護」も利用できるので、医療ニーズが高い方でも、安心して在宅生活が継続できます。ただし、小規模多機能型居宅介護と違い、要支援の方は利用できません。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者を対象にしたバリアフリー住宅です。介護施設ではなく高齢者住まい法における賃貸住宅に該当します。サービスの内容はそれぞれの住まいにより異なりますが、サ高住では安否確認や生活相談のサービスを利用しながら生活できます。介護が必要になった場合には、在宅で生活している時と同じように、介護保険サービスを利用することも可能です。

ここからは、介護保険を利用せずに安否確認を行いたい場合の方法をご紹介します。

家族がいる場合には、見守りカメラを利用して安否確認する方法があります。カメラを設置しておき、遠隔地から家族がスマホなどから様子が確認できます。監視はもちろん、会話や緊急通報、駆けつけ対応サービスなど機能はさまざまです。

ただし、見守りカメラはプライバシーの問題が伴うので、慎重な検討が必要です。

使用状況で安否を報告してくれる家電製品も注目されています。家電の使用状況を家族に通知することで、変わらず日常生活が営めていることを知らせます。

高齢者見守り家電の一例は以下のとおりです。

  • 湯沸かしポットの使用状況
  • 冷蔵庫のドアの開閉
  • 電球のオン、オフ
  • テレビの使用状況
  • 電池(テレビなどのリモコン)の使用状況

家電製品も、プライバシーには配慮が必要です。

民間の警備会社でも見守りサービスに対応しています。見守りセンサーによる安否確認や、緊急通報ボタンによる駆けつけサービスなどに対応します。警備会社による安否確認は、他のサービスより費用がかかる場合がありますが、素早い対応ができるので安心です。

他にも、郵便局の見守りサービスでは月に1回郵便局員がご利用者を直接訪問して30分程度お話しし、その様子や写真を家族に送ってもらえます。

ご利用者の安否確認をしてくれる宅食サービス業者もあります。お弁当の配達時に玄関まで受け取りに来ない、返答がない、様子がおかしいといった異変があった場合には、指定した連絡先に一報を入れてもらえるサービスです。

食事の栄養バランスが心配な場合には、宅食サービスでの安否確認を検討してみるのもよいでしょう。

最近では、各自治体でも一人暮らしの高齢者に対して孤独死対策を行っています。民間事業者の協力のもとで新聞や牛乳の配達時に安否確認をしたり、センサーや緊急通報装置等を貸出ししたり、自治体により取り組みはさまざまです。民生委員さんやボランティア等による定期訪問などを行っている自治体もあります。

今回の記事では、訪問介護の安否確認について解説しました。

訪問介護では安否確認のみでのサービス提供ができないため、定期的な様子確認をしたい場合にはさまざまな工夫が必要です。ヘルパーはご利用者の日々の変化を観察し、普段から細かいニーズに気づくことが大切になります。ご利用者の状況により、必要な見守りの種類も異なるため、その方に必要な介護保険サービスやインフォーマルサービスを提案することが大切です。

訪問介護サービスの利用者の日々の様子を記録するツールには「テレッサモバイル」がおすすめです。テレッサモバイルは、訪問介護サービス実施記録をLINEアプリで報告できるシステムです。ヘルパーさんは、サービス実施記録をLINEで送信できるため、タイムリーにサ責へ様子が伝えられ、直行直帰も可能に。世代を問わずなじみのあるLINEを使用するので、年配ヘルパーさんでもスムーズに導入できます。

また、テレッサモバイルは特定事業所加算の算定にも役立ちます。特定事業所加算の要件である「適宜報告」に難しさを感じている方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。テレッサモバイルを利用する事業所は、オプションで特定事業所加算算定のためのサポートを受けることもできますよ。

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tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。