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介護記録をペーパーレスにしたら保管はどうする?~法律の観点から解説!

近年、介護記録をペーパーレス化し、紙の保管場所の問題を解決したいと考える介護事業所は多くあります。

2017年1月の「電子帳簿保存法」が改定され、世の中のペーパーレス化が加速しました。介護業界でも、電子保存が増加しパソコンでの記録はもちろん、スマホやタブレットなどで記録し保存する事業所も増えてきています。

2022年の更なる法改正では、国税関係帳簿などの保存で必要だった、税務署長の事前承認制度が廃止されるなど、よりペーパーレス化を助長する動きが見られました。

参考:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」

本コラムでは、法律によるペーパーレス化の背景とともに、介護業界におけるペーパーレス化の現状と課題を解説し、皆さんが気になっている「保管」についても考えていきます

  • 介護記録の保管に苦労している
  • 削減できる仕事は少しでも減らしたい
  • もっと利用者様と関わる時間が欲しい

以上のような方は、ぜひ最後まで読んでいただき、それぞれの事業所で参考にしてみてください。

規制緩和によるペーパーレス化の背景

冒頭でも紹介した「電子帳簿保存法」が2022年に改正され、以下のような規制緩和が実施されました。

  • 電子帳簿の税務署長の事前承認制度が廃止
  • タイムスタンプの期限が2ヶ月以内と大幅に延長(サインは不要)
  • 電子データの検索要件が「年月日・金額・取引先」のみとなる

また介護業界でも、2021年の介護報酬改定により、「利用者等への説明・同意」「記録の保存・交付等」については、電子データでの対応が原則OKとなりました。

参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」

この出来事は、介護業界にも徐々にペーパーレス化が広がるきっかけとなった改定と言えるでしょう。

特に介護業界は慢性的な人手不足で、この先も解消されるかどうか分からない状況です。人手不足が続く中で、ペーパーレス化による業務の効率化は急務です。

利用者様に100%の介護サービスを提供するためにも、削減できるはずの書類作業に時間を使っている暇はありません。たった数分でもペーパーレス化により時間を捻出できるのであれば、介護業界におけるペーパーレス化は必須であることが分かるでしょう。

さて、ペーパーレス化による介護記録の保管のメリットに注目している介護事業所は多いことでしょう。

介護記録は保管期間が定められており、利用者数×保管年数とするとかなり大量です。
紙の場合、棚・倉庫など、滅多に取り出すことがなくとも、数年分を保管しておかなくてはならず、整理しながら保管しておくというのはかなりの労力を要します。

介護記録をスキャンして、電子保存するということも一度は考えられたと思いますが、介護記録用紙は複写タイプのものが多く、紙が薄いため、まとめてスキャンすると紙詰まりを起こしてしまうため、1枚ずつスキャンしなくてはならず、いくら時間があっても足りません。

やはり、今後のことを考えると、そもそも介護記録をペーパーレスにしてしまいたいですよね。

介護記録をペーパーレスにしてしまえば、保管の際のファイリングの作業や保管場所が不要になります。

ヘルパーさんがスマートフォンなどで介護記録を記録・送信すれば、事業所のパソコンにリアルタイムで届き、パソコン上に保管する際はそのままフォルダへ、システム上での保管の場合、仕分け作業も不要です。

紙での保管と違い、場所を確保する必要がなく、すっきりした事業所に特定の日付の利用者様の介護記録を見たいとき、倉庫から引っ張り出してくるのは大変ですが、パソコン上、クラウド上(システム・インターネット上)であれば、検索すれば一発です。

保管・整理・検索の手間と時間がペーパーレスによって叶います。

介護記録に特化したテレッサモバイルなら、LINEを活用したアプリなので、導入ハードルも低く、すぐにペーパーレスをスタートできますよ。後半でしっかり紹介させていただきます。

介護記録のペーパーレス|メリット・デメリット

ここからは、ペーパーレス化によるメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。一見便利といったメリットだけが先行していますが、デメリットも理解することで、ペーパーレス化を上手く導入していくことが大切です。

ここで紹介するペーパーレス化のメリット、デメリットを参考に、ぜひ介護現場の環境改善に活かしてみてください。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化のメリットは、以下の4つです。

  • 業務が効率化される
  • コストが削減できる
  • 書類の保管場所が不要になる
  • セキュリティが強化される

ペーパーレス化の最大のメリットは、業務の効率化です。例えば、書類に手書きで書くよりパソコンなどを使って記録するほうが早く、業務の負担を減らせます。また、紙の書類が減るので、その分のコストは削減できるでしょう。

介護現場では、介護記録の保存期間が5年と定められており、紙で記録している場合は、専用の倉庫などが必要でした。しかも5年分となるとかなりの量になるので、運んだり整理するのもひと苦労です。

書類を電子化して保存すれば場所が必要ないだけでなく、セキュリティ対策を万全にすれば、紙で保存するよりも安全に保管できます。

ちなみに、筆者が以前所属していた事業所では、いまだに手書きで書類を作成しパソコンを全く使っていませんでした。そのため、記録は手書き、記録を提出するために書類を運ぶなどペーパーレス化すれば不要になる業務を仕方なくするという状況でした。無駄が多いなと感じていました。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化のデメリットは、以下の3つです。

  • ネットワークの状態に左右される
  • 導入するためにはコストがかかる
  • IT教育が必要になる

ペーパーレス化は書類を電化して、ネットワーク上で管理することになります。そのため、通信状態が不安定だと記録を読み取ることができないなどの不具合が生じます。急いでるときにネットワーク状態が不安定だと、苛立ちストレスを感じることもあります。

ペーパーレス化するためには、ネットワーク状態を安定させることは必要不可欠と言えるでしょう。

また、ペーパーレス化を実現するには、パソコンやタブレットなどの機器はもちろん、Wi-fi環境などの通信費用もかかります。さらに、職員へのIT教育が必要で、そのための人件費も必要になってきます。

ただ、これらデメリットは一時的なものですが、ペーパーレス化をしないことによる業務の非効率な状態は、改善しないといつまでも続きます。

ペーパーレス化のメリットとデメリットを比べると、ペーパーレス化を導入する効果が大きいことが見えてきたのではないでしょうか。

介護業界のペーパーレス化の現状と課題

ペーパーレス化のメリットが大きいことは分かっても、現状はパソコンでの記録をしていない介護事業所も存在します。

以下は、ペーパーレス化が進まない介護事業所の問題点です。

  • すべて手書きで記録する
  • 手書きのため読めない場合がある
  • 通信手段が電話かFAXのみ
  • 配布物がすべて紙媒体
  • 計画書を配布し家族に印鑑とサインを要求する

FAXを使用している介護事業所はいまだに多く、理由としては関係先がFAXを使用している場合が多いからです。

介護業界のペーパーレス化の遅れは、単に介護事業所だけでの問題ではなく、介護業界を取り巻く環境全体が新しい技術を受け入れられてないことも関係しています。

筆者も複数の介護事業所で勤務経験があり、多くの事業所ではさまざまな紙の書類が存在しています。どこに何があるかを表示していますが、あまりも量が多すぎるのは誰が見ても感じるでしょう。

一気にペーパーレス化するのは正直難しいでしょう。したがって、まずは手書きの記録を半分にしてみるなど、徐々にペーパーレス化を取り入れていくことが大切です。

介護現場のペーパーレス化に役立つアプリの紹介

紙よりお得

今回は、法律によって加速した「ペーパーレス化」について、介護現場での活用も考えて解説してきました。

正直な思いを伝えると、ペーパーレス化が進んでいない介護事業所は負担が大きく、心身ともに疲れ切ってしまいます。業務の効率化は職員の負担軽減と、利用者様へ質の高い介護サービスのを提供する上で、非常に大切です。

最後は、訪問介護でのペーパーレス化をすぐに実現し、誰でも簡単に使えるアプリを紹介します。それが弊社で取り扱っている「テレッサモバイル」です。

テレッサモバイルは、あらかじめ設定された項目ごとにチェックを入れながら介護記録を入力できるので、書く手間がなく誰でも簡単に適切な介護記録を残せます。また、スマホ一台で完結するので、ノートなどを用意する必要もありません。もちろん、面倒な印鑑の捺印作業もないので、業務が効率化されるでしょう。

新たにアプリをインストールする必要もなく、普段使っているLINEのお友達登録だけで利用が可能になります。介護記録を入力したら送信ボタンを押すだけ。事業所のパソコンにリアルタイムで届きます。

これまで介護記録のペーパーレス化がなかなか進まなかった事業所も、「早く使えばよかった」と感じてもらえるはず。この機会にぜひ業務効率UPを叶えましょう!

Author Profile

津島武志
介護業界16年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。現在は介護職以外に、介護士の転職メディア「介護士の転職コンパス」の運営や、複数のメディア(介護に限らず)でWebライターとして活動中。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。